今回はオーケストレーションでも使われる「ストリングス」セクションについてです。
ストリングスの打ち込み時に普段どんなところに気を使いながら作曲しているのか書きますね。
ちなみに生音(演奏)と打ち込みの違いについては「生音(演奏)と打ち込みの違い メリットデメリットとは」を参考にしてみて下さいね。
まずはストリングスがどんな感じか聞いてみましょう
どちらもストリングスをメインにした楽曲です。
アーティキュレーション(奏法)を使う
アーティキュレーションとは「奏法でどの様に表情をつけるか」です。
スタッカートやレガート、トリルなどですね。
「濡れたヴィオラ」の23秒付近、音と音が滑らかに繋がっている様に聞こえています。
これは「ポルタメント」という音を滑らかに繋ぐ奏法になります。
曲中ではポルタメント奏法→レガート奏法へと切り替えています。
アーティキュレーションを細かく設定する事で表情豊かな演奏になります。
出した音の終わり方
かなり気を使う所です。
終わりがいい加減だと途中がどんなに良い音でも違和感が出ます。
「I wish that you were here」では
・だんだんと音が小さくなっていく終わり方
・音をスパッと切るやり方
の二つを表情付けとして使用してます。
共通して言えることは音の終わりに音量の変化をさせている事です。
イメージとしては、
・だんだんと音が小さくなっていく終わり方→徐々にフェードアウトする感じ
・音をスパッと切るやり方→だんだんと音を大きくしてスパッと切る
※音を大きくしながら切らないとなんとなーくだらっと終わってる感じがします。
音量の大きさはMIDIコントロールチェンジのエクスプレッションか、ボリュームオートメーションで行います。
※音源にもよりますがエクスプレッションだとガタガタする時があるんですよね。。
そんな時はボリュームで調整します。
ハモり
基本ハモりは3度か6度でハモると安定して綺麗に響きます。
ここぞ!という所はオクターブで演奏するとメロディが強調され迫力が出ます。
3度6度のハモりは安定するのですが、ずっと同じだと「動き」が単調になりがちで飽きられてしまいがちです。
曲の場面が展開する場所では2度や7度など「不安定」な響きをあえて使ってみて「安定」に向かう動きを加えてみましょう。
〜度とかはちょっと理論的なの部分なので後日記事にしますね。
音の重ね技
ストリングスセクションを打ち込んでいて「どうもリアルさにかけるな」、
と思った時はドライな音の単音バイオリンをメロディに重ねて鳴らします。
音に「芯」が出ます。
「もっとハイの音を出したい!」という時はシンセのストリングスをうっすらオクターブ上で重ねて鳴らす、というのも効果的。
両方ともコツは「聞こえるか聞こえないくらいの音量」で鳴らす事です。
ミックス時
ストリングスにはほとんどEQやコンプをかけません。
音が変わって元のイメージしていた音より遠ざかってしまうからです。
その分音量、パン、アーティキュレーション、音の長さ、音の入り方、消え方にかなり気を使います。
実際の演奏を見る
作曲が詰まってしまった時はyoutubeでオーケストラの演奏見てます。
打ち込みでリアルに表現したいって事は実際の演奏に近づけたいって事なので勉強になります。
実際に演奏してみるのも良い
楽器は買えるんなら買った方がいいですが、楽器屋さんや音楽教室でも無料体験できます。
恥ずかしがらず触る事大事です!そこからもっと興味が湧くかもしれませんよ。
ちなみに前バイオリンの音楽教室の体験入学行きました。
サイレントバイオリンが欲しいです。誰か買って下さい。
まとめ
オーケストレーションの打ち込みはかなーり時間かかります。
↑の曲はホーンセクションメインですが、ストリングス同様時間かかります。
作ってる時は楽しいですが根気が必要ですね。
またスコアを実際に打ち込んで見るのもかなり勉強になります。
過去記事「模倣する事の大切さについて書いてく」でも言及してますが、模倣はオリジナルを生みます。
オーケストレーションのテーマはちょこちょこ書きますね!
コメント